ウルセラで頬がこけない三つの条件
リフティングを前にして最も多い心配が「ウルセラをすると頬がこけませんか」です。根拠のない心配ではありません。実際に頬こけを訴えて来られる方もいます。ただ原因を見るとほとんどは機器の問題ではありません。
頬こけが起こる原因
1編で述べたように、頬の肉はどれも同じではありません。前頬と頬の中央のボリュームは顔を生かす頬で、口角の横と顎ラインの上に下りた重さは整理すべき頬です。頬こけはこの区別が失われたときに起こります。
深部の頬を強く収縮させる過程で、顔を生かしていた前頬のボリュームまで一緒に抜けてしまう。機器の問題ではなく強度と位置の選択の問題です。特に次のような顔では注意が必要です。
- もともと前頬が多くない顔
- 頬の中央のボリュームが足りない顔
- 全体的に痩せている顔
こうした顔で深部頬だけを見て強く収縮させると、顔が小さくなるのではなく平たく疲れて見える印象が残ります。
残す頬 ― 前頬と頬の中央。目の下から頬骨の前へつながる前頬と、頬骨のすぐ下の丸いボリュームです。これが生きていてこそ顔が明るく見え、リフティングの過程でも守るべき頬です。
整理する頬 ― 口角の横と顎ラインの上。ほうれい線の横へ下りた頬と、顎ラインの上に乗った頬です。この部位の重さを減らすことが目的です。
上げる頬 ― 位置が下りた頬。もともと上にあるべきボリュームが重力方向に下りた場合です。減らすのではなく、本来あるべき位置へ引き上げるのが正解です。

だから順序とベクトルの方向が大切です
二つを一緒に受けるときには順序があります。まずHIFUでSMAS層を捉え、顔の基本の骨格を上へ引き上げます。単にSMASを収縮させるのではなく、顔の外側を中心に上方・後方のベクトルを考えて方向を設計する段階です。その上からRFでこめかみと頬骨の外側を中心にタイトニングを行い、HIFUで引き上げた構造の上に皮膚を密着させます。RFは固定靭帯の周囲を補強する役割も担います。
注意点は、深部頬すなわち前頬と頬の中央に強い強度で当てないことです。欲を出して強く当てると、顔を生かしていた前頬のボリュームまで抜けることがあります。「頬がこけた」と来られる方の多くがこれです。

リフティングで最も大切なこと
同じ機器でも、どこに、どの強度で、どの方向に当てるかで結果はまったく変わります。どの層を狙い、どの方向にベクトルを設計するかという臨床的な判断が重要な理由です。
ですから「どれだけ減らすか」だけを見るのではありません。どこを残し、どこを整理し、どこを上へ支えるか。この三つを一緒に見ます。
綺麗な頬は小さい頬ではありません。良い位置に残っている頬です。そして良いリフティングは強く引いた顔ではなく、残すべき頬は残り、下りた重さだけが自然に減った顔です。
これでこのシリーズは終わりです。1編から読んでくださった方が、頬の相談を受けるときに以前とは違う視点で見られるようになっていれば幸いです。肉の量ではなく、どの位置に、どの層で、どの方向に変化が起きているかを先に見る視点です。

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