間欠的断食が合わない人と、やめるべきサイン
間欠的断食は、低血糖になりやすい方、ストレスが強い方、摂食障害の経験がある方、妊娠・授乳中の方にはおすすめしません。続けるうちに疲れやイライラが増え、集中できず、食べられる時間にドカ食いしてしまうなら、やめるサインです。反対に、インスリン抵抗性があり、予定が自由で空腹が苦にならない方には役立つことがあります。16:8がつらいなら空腹を14時間か12時間に短くし、1日1食で我慢して夜にまとめて食べてしまう方には、3時間おきに分けて食べる「3.6.9」をおすすめします。
- ACADEMY韓国皮膚肥満成形学会 首席学術理事
- PROFESSOR高麗大学校医療院 外来教授
- FELLOWSHIP米国フロリダ大学 Shands Hospital 研修
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- 梨花女子大学医科大学 卒業
- 高麗大学校医療院 修練
- 高麗大学校医療院 外来教授
- 米国フロリダ大学 Shands Hospital 研修
- 韓国皮膚肥満成形学会 首席学術理事
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「先生、1日1食しか食べていないのに、どうして太るんでしょう?」体重の相談でいちばんよく聞く言葉です。共著の本『Eat to Succeed』(韓国語で出版、2026年)もこの言葉から始まります。ところが最近は、あえて食事を抜く方法を選ぶ方もいます。ここ数年で大きく広まった間欠的断食です。
間欠的断食は、食べる時間を区切る方法です。16:8(日本では16時間断食とも呼ばれます)は1日16時間何も食べず、8時間のうちだけ食べるので、朝食か夕食のどちらかを毎日抜くことになります。5:2は週5日はふだんどおり食べ、残りの2日は500〜600kcalだけにします。空腹のあいだにインスリンが下がると脂肪の分解が進む、という考え方から生まれました。
ただ、同じ16:8でも、無理なく続けられる方もいれば、午後じゅう空腹をこらえて夜に崩れてしまう方もいます。本にも書きましたが、同じ方法がある人には完璧で、別の人には拷問になります。
間欠的断食をおすすめしない6つのケース
16時間の空腹にどれだけ耐えられるかは、体によって違います。空腹を長くするとかえって不調が出る場合があるため、本には間欠的断食に向かない人を書いておきました。まとめると6つです。
- 低血糖になりやすい方長い空腹に耐えるのが難しく、糖尿病や低血糖症のある方は特にそうです。
- ストレスが強い方食べないこと自体がストレスを上乗せし、ストレスホルモンのコルチゾールが上がります。
- 夕食を抜いて眠れなくなる方空腹が睡眠の邪魔をします。
- 摂食障害の経験がある方極端な制限がかえってドカ食いにつながることがあります。
- 妊娠・授乳中の方、成長期の10代、激しいトレーニングをする選手この場合も間欠的断食はおすすめしません。
- 高い集中力が必要な仕事の方外科医やパイロット、運転手のように、空腹で集中が途切れると危険な仕事があります。
この中でもストレスは見過ごされがちです。コルチゾールが高い状態が続くと、血糖が上がってインスリン抵抗性が強まり、お腹や内臓に脂肪がたまって筋肉は減っていきます。やせようと食べずにいるあいだ、体は逆に脂肪をため込んでいるのです。睡眠も同じで、空腹で眠れなかった翌日は食欲を抑えにくくなります。
間欠的断食をやめるべき4つのサイン
始めると、毎朝まず体重計に乗るようになります。でもこの方法が自分の体に合っているかどうかは、数字より先に、その日をどう過ごしたかに表れます。
| やめるサイン | 続けてよいサイン |
|---|---|
| 午後になると疲れてだるい | 一日をすっきり過ごせる |
| 小さなことでイライラする | 一日じゅうエネルギーが続く |
| 仕事や勉強に集中できない | 集中しやすい |
| 食べられる時間になるとドカ食いする | 食べる量を調整しやすい |
本にはこう書きました。「間欠的断食をしていて、疲れ、イライラし、集中できず、ドカ食いするなら、それはあなたに合わない方法だ」。4つのうちドカ食いは、特に意志の弱さのせいにされがちです。
空腹が限界に達すると、理性を担う前頭葉に代わって本能を担う大脳辺縁系が脳を支配し、「今すぐたくさん食べろ」と命令します。長く食べずにいたあとにまとめて食べると血糖が一気に上がり、インスリンがどっと出て余ったエネルギーを脂肪としてため込みます。そのあと血糖が下がると、また強い空腹がやってきます。だから本では、これを意志の力ではなく脳の問題だと書きました。
1日1食なのに太ると話す方の中には、夜にまとめて食べている方が多くいました。そのため本で3.6.9を説明するときも、ひどく空腹な状態で夕食を始めないことに重点を置いています。
間欠的断食が役立つ人とインスリン抵抗性
では、間欠的断食は誰にもすすめないのでしょうか。本には反対のケースも書きました。インスリン抵抗性がある方には、長い空腹がインスリン感受性を高める助けになることがあります。予定が自由なフリーランスや在宅勤務の方、「この時間は食べる、この時間は食べない」という単純なルールが好きな方も続けやすいでしょう。
インスリン感受性を直接確かめた研究があります。前糖尿病のある太り気味の男性8人が、2種類の食事時間を5週間ずつ入れ替えて過ごしました。一方は6時間以内に食べて午後3時前に夕食まで終え、もう一方は12時間かけて食べました。体重が変わらないよう食べる量をそろえたにもかかわらず、6時間以内に食べた期間にインスリン感受性と血圧が改善しました。
ただし8人だけの小さな研究で、研究者自身もこれを限界として挙げています。空腹が夜の側に置かれていた点も、朝食を抜くよくある16:8とは違います。インスリン抵抗性があればどんな16:8でも同じ結果になる、とまでは言えません。
どちらの場合でも、続けてみてすっきりし、エネルギーがあり、集中でき、食べる量を調整しやすいなら、続けてかまいません。朝はお腹が空かないから抜くという方も多いのですが、それは体が空腹に慣れてしまった結果かもしれません。
16:8を12週間続けた研究で筋肉がより多く減った結果
16:8にすれば、同じ量を食べてももっとやせるのでしょうか。2020年にアメリカで、過体重・肥満の成人116人を12週間、2つのグループに分けて比べた研究があります。一方は決まった時間に1日3食を食べ、もう一方は正午から夜8時までのあいだだけ好きなだけ食べました。
12週間後、2つのグループの体重差に統計的な意味はありませんでした。ところが体組成を直接測った50人を見ると、16:8のグループのほうが手足の除脂肪量が多く減っていました。除脂肪量は体重から脂肪を除いた重さで、その大部分は筋肉です。研究者は、ほかの工夫なしに食べる時間だけを短くしても、一日を通して食べる場合よりやせるわけではないと結論づけています。
筋肉の合成は一日じゅう起きていますが、たんぱく質を食べてから3〜4時間は特に活発です。1日2食ならその機会は2回だけで、たんぱく質が入ってこない残りの時間はむしろ筋肉が分解されます。ですから食事の回数を減らす方法をとる場合も、食べる時間の中では毎食たんぱく質を入れてください。
急いでやせて筋肉まで落ちると基礎代謝が下がり、同じ量を食べても体重が戻りやすくなります。そのあいだに顔ももう一度変化します。
16:8がつらいときに空腹を14時間か12時間に縮める方法
16時間もつ日よりもたない日のほうが多いなら、方法ごとやめてしまう前に、空腹の時間を短くしてみる手があります。白か黒かで考える必要はありません。14:10は14時間空けて10時間のうちに食べます。12:12なら夜8時に食事を終えて、翌朝8時に朝食をとります。
遅い夜食をやめるだけでも、夜のあいだの空腹は12時間近くになります。夕食は寝る2〜3時間前に軽めに済ませるのがおすすめです。
1日1食の代わりに3時間おきに食べる3.6.9
「何度も食べたら、かえって太りませんか?」3.6.9の話をすると出てくる質問ですが、本ではこれをいちばんよくある誤解として書きました。3.6.9は1日5回、3時間おきに食べる方法です。時間は起きる時刻に合わせて決め、9時に起きた日なら9時・12時・15時・18時・21時に食べます。
ねらいは、代謝が落ちることとドカ食いを防ぐことです。空腹が長引くと体はそれを食糧危機と受け取り、使う量を減らしてため込むよう基礎代謝を下げます。規則的に食べればそうならず、ひどい空腹にもならないので食べすぎも減り、筋肉が落ちるペースも速まりません。
回数が増えても、1日の総量まで増やすという意味ではありません。回数より総量と何を食べるかが大切なので、食事と間食のたびに卵やヨーグルト、豆腐などのたんぱく質を入れ、昼食と夕食はお皿の半分を野菜にします。夜9時の間食は、お腹が空いたときだけで大丈夫です。
ただし、いまも3食を規則正しく食べていてドカ食いもしないなら、わざわざ5回に増やす必要はありません。3.6.9は、長く食べずにいてからまとめて食べる習慣のある方におすすめしています。
最初の2〜3週間は、体重が少し増えることもあります。飢餓状態から抜け出した体が安心していく過程なので、そこでやめなくて大丈夫です。6週間たっても変化がなければ、こまめに食べる習慣はそのままにして1日の総量を減らします。

間欠的断食でも3.6.9でも3か月は続ける理由
どんな方法でも、1か月ほど試して数字が思ったほど動かないと、別の方法を探したくなります。本に書いた言葉をそのまま引くと「方法は問わないが、最低3か月は続けること」です。食事でも薬でも、どの方法を選んでも、診察室でこの条件だけは必ずお伝えしています。
習慣になる前にやめてしまうと、方法が間違っていたのか、やめるのが早すぎたのか分かりません。本には、90日のうち70日守れれば十分だと書きました。1日2日うまくいかなかった日を気にするより、次の食事からまた始めれば大丈夫です。
よくある質問
Q間欠的断食をすると筋肉が落ちますか?
2020年に116人を12週間比べた研究では、16:8のグループは1日3食のグループより手足の除脂肪量が多く減りました。食事の回数を減らす場合も、食べる時間の中では毎食たんぱく質を入れてください。
Q糖尿病があっても間欠的断食をしていいですか?
低血糖になりやすい方や糖尿病のある方は長い空腹に耐えにくいため、おすすめしません。糖尿病の薬を飲んでいる場合は、空腹の時間を変える前に処方している医師に相談してください。
Q朝はお腹が空かないのですが、食べないといけませんか?
お腹が空かないのは、体が空腹に慣れた結果かもしれません。3.6.9を始めて最初の1週間ほどは、空腹でなくてもヨーグルトを数さじ、ナッツを数粒のようにごく少量を食べると、そのあとは自然に空腹を感じるようになります。
Q何度も食べると、かえって太りませんか?
回数より1日の総量と何を食べるかが大切です。規則的に食べると血糖の上下が小さくなり、ひどく空腹になる時間が減るので、夜のドカ食いも減ります。
Q16:8がつらすぎます。やめるべきですか?
疲れやイライラが増え、集中できず、ドカ食いしてしまうならやめるサインです。空腹を14時間か12時間に短くする方法もありますし、1日1食で我慢していたなら、3時間おきに分けて食べる3.6.9をおすすめします。

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