ダイエット中に疲れが続くとき 栄養不足と甲状腺の検査が必要なケース
食べる量を減らしたのにいつも疲れていて体重も変わらないときは、カロリーより栄養素が足りていないことがあります。鉄が足りないと疲れやすくなり、甲状腺の働きが落ちると代謝がゆっくりになります。だからといって、すべての方に検査をすすめるわけではありません。症状や病歴に確かめる理由があるときだけ、必要な検査をお伝えしています。足りないものを補うのは減量の出発点で、サプリだけで体重が減るわけではありません。
- ACADEMY韓国皮膚肥満成形学会 首席学術理事
- PROFESSOR高麗大学校医療院 外来教授
- FELLOWSHIP米国フロリダ大学 Shands Hospital 研修
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- 梨花女子大学医科大学 卒業
- 高麗大学校医療院 修練
- 高麗大学校医療院 外来教授
- 米国フロリダ大学 Shands Hospital 研修
- 韓国皮膚肥満成形学会 首席学術理事
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食事量を減らしたのに午後になると体が重く、体重計の数字は何週間も変わらないという方がいらっしゃいます。共著の本 Eat to Succeed(韓国語の本、2026年)の第1章をこの話にあてたのもそのためです。本では、お腹いっぱい食べてもお腹がすき、十分寝ても疲れていて、少し食べただけで太る体を、栄養不足として説明しました。
カロリーは足りているのに栄養素が足りず痩せない理由
朝にクロワッサンをひとつ食べると、300kcalの熱量と糖分が入り、お腹も満たされます。でもビタミンやミネラル、食物繊維はほとんどなく、たんぱく質もわずかです。本ではこれを「カロリーは過剰なのに栄養素は欠乏している」と書きました。体は何かを食べたのに、本当に必要なものがまだ来ていないと、空腹のサインを出し続けます。
ひとつが足りないと、ほかのものもつられて崩れます。本には、ビタミンDが不足するとカルシウムが吸収されず、マグネシウムが不足するとビタミンDが活性化されないと書きました。オメガ3が足りないと炎症が起きやすくなり、炎症はインスリン抵抗性を引き起こします。そこで第1章の結論では、炭水化物や脂質をやみくもに減らす前に、不足しているビタミン・ミネラル・たんぱく質・食物繊維・睡眠を補うよう書きました。
ダイエット中に不足しやすい栄養素5つととりたい食品
本では、ダイエット中はカロリーの数字より栄養密度の高い食品を選ぶよう書きました。本で一つずつ取り上げた5つの栄養素を表にまとめます。
| 栄養素 | 不足したときに本に書いた変化 | とりたい食品 |
|---|---|---|
| ビタミンD | 満腹ホルモンのレプチンの働きが弱まり、お腹がいっぱいでも食べ物を探す · 筋肉の合成が減り基礎代謝が下がる | 1日15〜20分、腕と脚に日光 · サケ・サバ・イワシ · 卵黄 · きのこ |
| マグネシウム | インスリンがうまく働かず血糖が上がる · 睡眠ホルモンのメラトニンが作られにくくなり不眠が悪化することがある | アーモンド・カシューナッツ・クルミ · かぼちゃの種・ひまわりの種 · ほうれん草・ケール · 玄米・オーツ麦 |
| オメガ3 | 炎症が起きやすい · お腹がいっぱいでも脳が気づかないレプチン抵抗性が起きる | サケ・サバ・イワシ・ニシンを週2〜3回 · 亜麻仁・チアシード・クルミ |
| ビタミンB群 | 糖がエネルギーに変わらず脂肪の代謝が遅くなる · B6が足りないと筋肉の合成が減る | 玄米・オーツ麦・キヌア · ほうれん草・ブロッコリー · 卵 · 豆類 · 魚と肉 |
| 鉄 | 組織に酸素が届きにくく疲れやすくなり動きたくなくなる · 甲状腺ホルモンが作られにくくなり代謝が遅くなる | 肉や魚のヘム鉄 · ビタミンCと一緒に · 食事の前後1時間は紅茶やコーヒーを避ける |
鉄はとくに妊娠可能な年齢の女性で不足しやすくなります。月経で毎月鉄を失うためです。ビタミンDは、日光を十分に浴びられない方、腎機能が落ちている方、高齢の方、肥満の方で血中濃度が低くなりやすいと本に書きました。脂溶性なので、体脂肪が多いと脂肪にとどまり、血中に出てくる量が足りなくなることがあります。
栄養不足と甲状腺の検査をすすめる症状とすすめないケース
疲れが長引くと、血液検査を受けたほうがいいかと聞かれることがよくあります。体の状態もあわせて見るということは、すべての方に検査をすすめるという意味ではありません。症状や病歴に確かめる理由があるときだけ、必要な検査をお伝えしています。本に書いた症状のうち、検査を考えるきっかけになるのは次のものです。
- 鉄不足を疑うとき強い疲労感 · 青白い肌 · 手足の冷え · 集中力の低下 · 息切れ · 氷をかじりたくなる
- 甲状腺機能低下を疑うとき説明のつかない体重増加 · 慢性的な疲れ · 寒がり · 便秘 · 乾燥した肌と髪 · 気分の落ち込み · 遅い脈 · 記憶力と集中力の低下
- ビタミンDが低くなりやすい条件日光をほとんど浴びない · 腎機能の低下 · 高齢 · 肥満
甲状腺は基礎代謝・体温・エネルギー産生を調節する器官なので、働きが落ちると本の言葉どおりすべてがスローモーションになります。原因が橋本病のような自己免疫疾患なら、食事を変えるだけでは解決しません。検査で確かめ、甲状腺の治療も一緒に受ける必要があります。
疲れの理由が先に生活の中に見えることも多くあります。1日1食をまとめて食べている、睡眠が足りない、ストレスが重なっている時期であれば、本に書いたとおりそれだけで食欲ホルモンとコルチゾールが乱れます。こうした方には、食事の回数を戻し、睡眠を増やす方法からお伝えしています。

サプリを飲んでもすぐに体重が減らない理由
足りない栄養素があると聞くと、サプリひとつで体重まで解決してほしいと期待しがちです。けれども、ビタミンDの補充だけで体重が減ったという根拠は弱いものです。カロリーを制限せずにビタミンDだけを補充したランダム化比較試験18件を集め、そのうち12件をまとめて分析した研究では、体重・体脂肪量・体脂肪率のいずれもプラセボと差がありませんでした。
本では、足りないものを補うことを持続できる減量の始まりと書きました。始まりという言葉どおり、補うだけで終わりではありません。体重は食事と運動と睡眠を一緒に変えたときに動きます。
検査で不足が確かめられた方は、補うことで変わることがあります。貧血はないもののフェリチンが50μg/L未満で疲れを訴えていた18〜53歳の女性198人に、12週間、鉄剤かプラセボを飲んでもらった研究では、疲労スコアが鉄剤群で47.7%、プラセボ群で28.8%下がりました。ただし生活の質・うつ・不安には差がなく、体重を測った研究でもありません。研究者は鉄を6週間使ったあと血液の指標で効果を確かめるよう提案しています。
サプリの量や方法は人によって違うため、本でも医師と相談して決めるよう書きました。検査なしに何種類ものサプリを一度に飲むより、表にある食品でまず食事を満たすことをおすすめしています。
よくある質問
Qダイエット中にどうしてこんなに疲れるのですか?
食べる量を減らすと、鉄・ビタミンD・マグネシウム・ビタミンB群などの栄養素も一緒に足りなくなったり、睡眠が不足したり、食事をまとめて食べていたりすることがよくあります。強い疲れに青白さ・手足の冷え・息切れが重なるときや、寒がりで便秘や肌の乾燥が出てきたときは、鉄と甲状腺を確かめる検査が必要なことがあります。
QビタミンDを飲むと痩せますか?
カロリーを制限せずにビタミンDだけを補充したランダム化比較試験12件をまとめた分析では、体重と体脂肪はプラセボと差がありませんでした。不足していれば補うべきですが、体重は食事と運動と睡眠を一緒に変えてはじめて減ります。
Qダイエット中に血液検査は必ず受けるべきですか?
すべての方にはすすめていません。症状や病歴に確かめる理由があるときだけ、必要な検査をお伝えしています。
Q鉄はどうとれば吸収がよくなりますか?
植物性より肉や魚のヘム鉄のほうが吸収されやすいです。ビタミンCと一緒にとると吸収が増え、紅茶やコーヒーは吸収を妨げるので、食事の前後1時間は避けたほうがよいでしょう。
Q甲状腺の働きが落ちると太りますか?
甲状腺ホルモンは基礎代謝・体温・エネルギー産生を調節するので、働きが落ちると説明のつかない体重増加や慢性的な疲れ、寒がりが出ることがあります。橋本病のような原因なら食事だけでは解決しないため、検査と治療が必要です。

梨水(イス)駅13番出口から徒歩2分
電話 02-517-9996
